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月経の周期が不順(月経不順)/ 生理が来ない(無月経)

症状について

月経の周期が安定せず、遅れたり早まったりする、または全く来ない場合を「月経不順」と言います。月経不順の原因はさまざまで、経過観察で良いものから治療が必要なものまであります。治療の主な目的は、月経不順によって日常生活に支障をきたさないようにすることや、将来の妊娠の可能性を保つことです。

正常な生理周期

正常な生理周期は25日から38日(生理の始まった日から次の生理が始まった日までの日数)で、変動日数は6日以内です。

月経不順の原因

月経不順は主に以下の4つの原因によって起こります。

  • 視床下部性: 過度のダイエットやストレス、環境の変化などでホルモン分泌に影響が出ると、生理月経周期が乱れます。
  • 下垂体性: 下垂体から分泌されるホルモン(LH、FSH、プロラクチンなど)の異常によるものです。
  • 卵巣性: 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などによる排卵障害が原因です。
  • 甲状腺機能異常::生理不順の約12%に甲状腺機能異常が認められます。

検査方法

  • 超音波検査: 子宮や卵巣の大きさ、卵胞の発育状態、子宮内膜の厚さを測定します。
  • 内分泌検査(血液検査): エストロゲン、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモン、プロラクチン、テストステロンなどを検査します。必要により甲状腺ホルモンの検査も行います。

治療法

治療の目的は、月経周期を整えることや将来の妊娠のために卵巣の機能を保持することです。
検査結果や月経不順の程度によって、ホルモン療法などの治療を行います。また、基礎体温を2〜3ヶ月間記録することで、治療が必要かどうかの判断材料になります。

原発性無月経と続発性無月経

原発性無月経
18歳になっても初経が来ない状態をいいます。15歳以上18歳未満で初経が来ていない場合は初経遅延といい、ホルモン補充が必要になる場合があるので、精密検査が必要です。

続発性無月経
規則的に月経があったのに、3ヶ月以上月経が来ない状態。妊娠していないかの確認をして、妊娠によるものでない場合はストレスや甲状腺機能異常、過度なダイエットなどが原因となっていることがあります。

月経不順の症状がある場合

月経不順は放置せず、婦人科での相談をお勧めします。定期的な検査で安心して過ごせるようにしましょう。基礎体温を2~3ヶ月記録しておくと診断に役立ちます。月経不順は婦人科疾患だけでなく、ストレスや生活環境の変化によっても起こります。健康な女性の月経周期は25~38日ですが、数日のズレであれば問題ありません。月経不順は妊娠や出産に影響を与える可能性がありますので、一人で悩まずに婦人科を受診してください。